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1770年(明和7年)11月場所 千秋楽結果・場所振り返り

目次

1.千秋楽結果

1-1.二段目

番付しこ名番付しこ名
45東二8獅子垣不明竜浪山02
32東二7鶴渡不明生田野01
11不明永濱西二6大山44
51東二5甲山不明奥ノ海01
07西二4岩ヶ楯西二7秀ノ山53
17東二3森山不明荒馬30

東二5・甲山は勝って5-1と星を伸ばし、幕内で東二6・山分が預りで5-1のままとなったため、甲山が番付上位で逆転優勝となりました。山分は終盤までリードしていましたが、下位力士との対戦も多く、(山分が千秋楽に預りだった)西前3・大江嶋に勝っている甲山の方が実力的に上で、優勝も妥当かもしれません。

1-2.幕内

番付しこ名番付しこ名
51東二6山分西前3大江嶋23
32東二1外ヶ濱西前2戸田川51
14東前1今碇西二5荒飛54
08東小結金碇西前1達ヶ関71
60東大関釈迦ヶ嶽西関脇関ノ戸71

大関・釈迦ヶ嶽が関脇(大関相当)関ノ戸を破り、釈迦ヶ嶽関ノ戸達ヶ関が勝ち越し数で並びましたが、番付上位の釈迦ヶ嶽が初優勝となりました。釈迦ヶ嶽は関ノ戸、達ヶ関との直接対決にも勝っており、番付だけでなく、今場所は実力も一番上と言えるでしょう。

2.今場所振り返り

2-1.優勝

  • 幕内優勝:勝ち越し6(6-0)…東大関・釈迦ヶ嶽
  • 優勝同点:勝ち越し6(7-1)…西関脇(大関相当)関ノ戸、西前1・達ヶ関
  • 二段目優勝:勝ち越し4(5-1)…東二5・甲山
  • 優勝同点:勝ち越し4(5-1)…東二6・山分

幕内は、千秋楽までリードしていた関ノ戸を、後半の無敗対決を3勝1分で追い上げた釈迦ヶ嶽が逆転して優勝となりました。関ノ戸は7日目まで、好成績力士は雷電としか当たらず、過去の実績故に割を優遇された面もありましたが、釈迦ヶ嶽が千秋楽まで脱落しなかったため、逆転優勝を許しました。

優勝した釈迦ヶ嶽が21歳、同点の達ヶ関が20歳と、若い力が伸びてきており、来場所からは「ベテラン」対「若手」の構図が見られそうです。

二段目も千秋楽まで山分がリードしていましたが、千秋楽に預りだったため、番付上位の甲山に逆転優勝を許しました。

2-2.三賞

  • 殊勲賞…西小結・友綱(4-0)
  • 敢闘賞…西前1・達ヶ関(7-1)
  • 技能賞…東関脇・雷電(4-1)

殊勲賞は、優勝した釈迦ヶ嶽と唯一預りの引き分けだった友綱にしました。後半、二段目力士に引き分けるなど、引き分けが多く優勝争いから脱落しましたが、優勝争いを盛り上げました。

敢闘賞は、看板大関から実力相撲でやり直して初めての場所で、優勝同点まで星を伸ばした達ヶ関にしました。実力者とは、敗れた釈迦ヶ嶽としか当たっていませんが、初めての実力場所としては大健闘でした。

技能賞は、相撲が達者と言われた雷電にしました。10年ぶりの江戸場所で、友綱、戸田川と預りの引き分けで終盤まで優勝争いをしたのは、十分三賞に値します。

2-3.最終成績

2-3-1.幕内

しこ名
東大関釈迦ヶ嶽6010106
西大関國見崎0080000
東関脇雷電4110203
西関脇関ノ戸7100006
東小結金碇080000-8
西小結友綱4011204
東前1八雲山051000-5
西前1達ヶ関7100006
東前2今碇143000-3
西前2戸田川5100114
東前3佐渡ヶ嶽0080000
西前3大江嶋232010-1

2-3-2.二段目

しこ名
東二1外ヶ濱3211011
西二1礒碇035000-3
東二2柏戸044000-4
西二2志賀ノ浦0080000
東二3森山170000-6
西二3獅子ヶ嶽0080000
東二4岩ヶ楯071000-7
西二4里見山0080000
東二5甲山5120004
西二5荒飛5400001
東二6山分5100204
西二6大山4400000
東二7鶴渡3230001
西二7秀ノ山5300002
東二8獅子垣360000-3
西二8谷川0080000

2-4.全体を通して

ベテランの関ノ戸友綱が優勝争いをするのは、ある程度予想できましたが、四日目までで、この二人の他に釈迦ヶ嶽雷電達ヶ関戸田川が全勝で折り返し、後半戦は全勝対決が組まれてだいぶ盛り上がりました。

潰し合いの結果、最終的には、21歳で一場所目の釈迦ヶ嶽と、優勝3回で34歳の関ノ戸の、新旧対決の争いとなり、新鋭の釈迦ヶ嶽となりました。

来場所以降は、新鋭の釈迦ヶ嶽達ヶ関と、ベテランの関ノ戸友綱らの新旧対決に加え、優勝・同点の経験がある越ノ海雪見山稲川らが戻ってくると、益々盛り上がっていきます。

今場所、大関相当挑戦の友綱は昇進条件を満たし、来場所から(番付として以外の)大関相当は関ノ戸、友綱の二人となります。

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この記事を書いた人

子供の頃、千代の富士全盛の時代から、40年以上相撲をみてきました。それでも自分の生まれる前の力士のことはよく分からず、今の横綱・大関争いを見るのと同じ感覚で、昔の相撲を何とかシミュレーションしてみたく、もがいてみました。

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